リマイスター学院 足つぼリフレクソロジー
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特集 自分の力を信じよう
 [学院長インタビュー]

――― 柔道整復師・鍼灸・マッサージ師とたくさんの資格をお持ちですが、この仕事を始めようとしたきっかけは何でしょうか。

  私は小学校一年生のときから高校時代まで野球をやっていました。キャプテンを務めていた時期も長かったのですが、ものすごいプレッシャーの連続だったんです。キャプテンは自分のこと以前に、まずチーム全体のことを考えなくてはならない。試合に負けようものなら、OBや先輩からの風当たりが強くなる。 そんななかケガをして試合に出られなくなってしまったことがあったんです、

  結局、試合にも負けてしまい、周りからは、「おまえがケガをして欠場したせいで、このザマだ」と言われる始末です。このときは、さずがに落ち込んでしまいましたが、そんな私の心境を見透かしたのでしょう。ケガの治療にあたってくれていた整骨院の先生が、「今はケガを治すことだけに専念しなさい。キチンと治して、それから出直せばいい。とにかく焦りは禁物だよ」といって励ましてくれたのです。

  この言葉で気持ちがだいぶ楽になり、「自分も将来、この先生のように患者の心と身体を救えるようになれたらいいなあ」と思い始めたのがきっかけです。その後、鍼灸の学校へ進学し、卒業は東京・板橋にある整骨院で修業を積み、二十八歳のとき、整骨院を開業したんです。

 

「一念岩をも通す」の精神で・・・

――― 鍼灸やマッサージ療法と並行して、足つぼ療法にもいち早く着目されたそうですが。

  それが、始めのうちはまったく関心がありませんでした。むしろ、「足つぼを刺激しただけで、身体が良くなるなんて、インチキくさいなあ」とバカにしていたくらいです(笑)。

 その私がどうして足つぼ療法に興味を持ったかというと、今から十五年前、台湾で足つぼ治療を行っていた許(きょ)先生という方が日本の治療院に期間限定で招聘(しょうへい)されていて、見学させていただいたことがあったんです。そのときも、正直、半信半疑の気持ちでいたのですが、便秘に効くツボというのを一つだけ教えてくださったので、後日、私が勤めていた整骨院に通院中の便秘症の患者さんに、試しに行ってみたのです。

  そうしたら、翌日、「先生、おかげですっきりしました」と言ってこられたので、ビックリ仰天しました。でも、私の頭の中には「偶然かもしれない」という気持ちがあったので、その後、肩こりや頭痛などに効くツボを、その治療院のスタッフを経由して、許先生から間接的に聞き出しては、他の患者さんにも試してみたんです。そうしたら、これが百発百中。「もしかしたら、本当に効果があるのかもしれない」と思えてきて、「よし、本格的に勉強してみよう」と考えるようになったのです。


――― 足つぼ療法のテクニックは、どのように習得されていったのですか。

「患者さんに安心感や喜びを与えるこを いつも心がけて仕事をしています」
「患者さんに安心感や喜びを与えるこを いつも心がけて仕事をしています」
   最初は許先生に教わったのですが、そこに至るまでの道のりが大変でした。というのも、先生はその治療院と専属契約していたこともあって始めのうちは、全然相手にしてくれなかったからです。毎日、赴(おもむ)いても、「今日は疲れているから」「忙しいから」といったぐあいに門前払いですよ。

  普通だったら、そこであきらめてしまうところですが、私の場合、なぜか火がついてしまい、断られるたびに、「よーし、是が非でも教えてもらおう」と意固地になり、そのうちビールやお酒を手土産代わりに持参し、接触を図るように努めたんです。しかし、それでも満足に取り合おうとはしてくれません。まあ、向こうからすれば、「断りつづけていれば、そのうちあきらめて来なくなるだろう」と考えていたのかもしれませんね。

  でも、「一念岩をも通す」とはよくいったもので、私の熱意が相手にも伝わりあるとき、とうとうクビを縦に振ってくださったんです。

  ただ、先生は台湾の方なので、日本語がほとんどしゃべれませんでしたから、教えを請うのが大変でした。そこで、ジェスチャーや英語を交えながら意思疎通を図ったほか、紙に漢字を書いてやりとりするという「筆談」を用いたりもしたのです。そうこうしているうちに、許先生はビザの関係で台湾へ帰国されてしまったんです。


――― そうなると、台湾に出向くしか方法がありませんよね。

 実は許先生には足つぼの大家であるお兄さんがいらっしゃったんです。どうせ台湾に行くなら、そのお兄さんに習いたいなと思い、その方のところへ何度か国際電話を入れてみたのです。でも、「どこの馬の骨ともわからんヤツに教えることはできない」ということで断られてしまいました。

 「私は真剣なんです」と繰り返し懇願(こんがん)しても、聞き入れてくれません。そこで、患者として通院しようと、強引に現地入りを果たしたのです。

そして、連日、朝昼晩にわたって許先生のお兄さんのところへ通院という名目で顔を出したのです。しかし、やはり向こうは警戒したみたいで、何も教えようとはしてくれませんでした。でも、二週間ぐらい経ってから、「こいつは本気なんだなあ」と思ってくれたみたいで、ワンポイントだけ教えてくださったんです。それも帰国直前ですよ。

  そして、帰国後しばらくの間は、独学で足つぼ療法の勉強に励み、二年後、「治療にきました」という名目で再び台湾のその先生のところへ足を運んだのです。そうしたら、向こうも私の熱意に揺り動かされたみたいで「その技、どうやって覚えた?ほう、独学か。たいしたもんだな」「そこはこういうふうにやるんだよ」と、少しずつ教えてくださるようになり、長い歳月をかけてようやくマスターすることができたのです。

  修行時代を振り返る安部学院長

病は気から。健康も気から。

――― その後、整骨院の開業と前後して、豊島区に足つぼ治療院の第一号店を開業するわけですが、経営が軌道に乗るまでは大変だったのではないでしょうか。

 その通りで、「足つぼ治療院を開業しようと思う」と周囲の人に宣言したら、それこそバカにされました。当時は、ニーズなんてほとんどありませんでしたからね。
実際、開業した当時は患者さんがほとんどこない状態がつづきました。でも、そのたびに自分にこう言い聞かせるように努めたんです。
「患者さんが少ない今のうちに足つぼ療法の専門知識や技術をどんどん吸収しておこう」「患者さんがリラックスできるように、今のうちに治療院の内装に工夫をこらしておこう」
 
 要するに、「来るべきときに備えよと、天が私に有意義な時間を与えてくれたのだ」とあくまでポジティブに解釈したわけです。そうしたら、ポツリポツリでしたが、患者さんがだんだん増えてくるようになりました。

――― 足つぼ療法を受ける患者さんに対して心がけていることは何でしょうか。

 足つぼ両方は台湾が本場ですが、台湾の人と日本人の人とでは足の性質が違っていて、向こうの人は足裏の皮膚が厚く、強い刺激を好みますが、繊細な日本人にはそれが合わないところがあるんです。ですから、日本人の足の性質に合ったやり方を心がけています。

学院長
 それと、これがもっとも重要なことですが、患者さんの心に安心感や喜びを与えることを肝に銘じるようにしています。そのためには、患者さんの訴えにしっかりと耳を傾け、和(なご)やかにコミュニケーションをとらなくてはなりません。そして、会話の中から患者さんの心理状態を的確に把握し、この人は何が不安で、どのようなことを口にしてあげたら安心するだろうか。そういったことを常に意識しながら、接していくようにしています。

 ですから、肩こりや腰痛を治しにきたのに、仕事や恋愛の悩みの相談に乗ってあげるということもしばしばあるんですよ。でも、そうやって悩みの解決に当たってあげたり、勇気づけてあげると患者さんの免疫力が高まって、本当に身体の調子が良くなっていくんです。「病は気から」といいますが、逆も真なりで「健康も気から」。つまり、心の持ち方次第で身体の具合だってどんどん良くなっていくのです。


目標があるかないかで人生が決まる

――― ところで、安部さんはスポーツトレーナーとしても活躍しておられ、合理的なトレーニングを提唱しているそうですが。

 従来のトレーニングというのは、『巨人の星』に登場する星一徹(いってつ)ばりの根性論みたいに「これをやれ!あれをやれ」とか「気合でいけ」というスパルタ式のものでした。しかし、私が考えている合理的なトレーニングというのは、やみくもに身体を酷使するというやり方ではなくて、目標を段階的に設定してゆき、それにそってトレーニングを行うというものです。

  たとえば、七十キロしか持ち上げられないバーベルを百キロにするためには、今月は八十キロをクリアし、来月は九十キロをクリアする。それがかなったら再来月は最終目標の百キロをクリアしていく。そのためには、毎月、どういうトレーニングを行わなくてはいけないか。週単位でどんなメニューをこなす必要があるか。また、疲労はたまっていないか。意欲は低下していないか。

  そういったことを細かく分析しながら、肉体的な疲労を取り除くためのケアと精神面のケアとを並行してアドバイスしていくというのが、私の考えている合理的なトレーニングなのです。
  スタッフみんなと撮影 店内にて
学院長の人柄が反映した、明るい雰囲気の店内

――― 目標をもって行動することの大切さはスポーツのみならず、人生全般にいえますね。

ほうなんちょう整骨院(東京都杉並区)
学院長の営むフットケアサロン・整骨院の前で(東京都杉並区)
   ええ、それはものすごく重要なことだと思いますよ。「もっとパソコンの操作がうまくなりたい」「もっと英語が上手にしゃべれるようになりたい」「今よりも三キロやせたい」といった小さな目標であってもいいんです。それをクリアしていけば達成感を味わうことができます。

 その体験を積み重ねていけば、「自分だって、その気になればできるんだ」という自信の強化につながっていくと思うんです。そうすれば、自分の中に眠っている無限の力、無限の可能性というものをもっと引き出すことができるのではないでしょうか。

 ただ、その場合も、スポーツのトレーニング同様、目標を段階的に設定したほうがいいと思います。たとえば、トラベル英会話を身につけたいならば、今月は挨拶くらいはできるようマスターする。来月はレストランで食事をオーダーするときに役立つ会話をマスターする。再来月はショッピングに役立つ会話をマスターするといったぐあいに、徐々にレベルアップを図っていくのです。そうすれば、「じゃあ、今週はこの文章をマスターしよう」「今日はこの単語を覚えよう」と、ミクロの単位でやるべきことが明確になると思うのです。

 こんなふうに、どんな目標だっていいんです。「こうしたい」「こうなりたい」というものを一つずつクリアしていけば、きっと自分の生き方に自信が持てるようになると思うんですね。その自信こそが、その人の隠された才能や埋もれた力を引き出してくれるはずだと私は信じています。

聞き手:倉林 秀光  撮影:掘 隆弘


Profile

 昭和42年福島県生まれ。平成2年、東洋医学療法に携わるなかで、足底反射療法と出合い魅了され、技術習得のため台湾に渡る。
帰国後、当時日本で数少ない足つぼ専門治療院を開院。以後、短期間で高い技術を習得するための独自の養成システムを確立する。 
現在東京で治療院、リラクゼーションサロン、スクール運営のほか、セミナーやイベントの開催、スポーツ・トレーナーの育成・派遣を行う
有限会社ティムコーポレーションの代表取締役を務める。

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